婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「……教えてあげようか?」

「いいえ、人からそれを聞くのは……」

「ジュリエット嬢はそう言うと思ったよ。さて……僕はもう少しだけゆっくりして帰ろうかな。カモミールのハーブティー頂戴。お気に入りなんだ」

「分かりました。お土産用にラベンダーのハーブティーも包んでおきますね。バーズ公爵夫人にも宜しくお伝え下さい」

「ジュリエット嬢、ありがとう」


リロイと三人で話した後、お土産のハーブティーを持って機嫌よく去って行った。
リテ皇国の使者がいるうちはベルジェ達は忙しいのだろう。
最近では二日と開けずにカイネラ邸に来ていたのに、今ではすっかりと姿を見ていない。

しかし今日はモイセスとルビーはドレスを選びに向かった。
以前、ルビーは一緒にドレスショップに参加する事が出来なかった。
モイセスの予定が合わなかったからだ。
今日はモイセスがパーティーに着ていくドレスを選んでくれるという事で、いつもよりもルビーの纏うキラキラとしたオーラが倍増していた。

そして「鼻血が出たら困るから」と言って、笑顔で大量の布を持っていったのを止めるべきかと最後まで迷ったが、水を差すのもよくないかと思い黙っていることにした。
< 152 / 229 >

この作品をシェア

pagetop