婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「今度のパーティー、貴女は誰と参加するのかしら?」
「…………。ベルジェ殿下です」
「まぁまぁ……!最近、ベルジェ殿下がルビーに恋をしていてモイセス様と取り合っているって噂が流れているけれど、知ってる?それに貴女がお溢れを貰ったって言われているのよ」
「へぇ……そうなんですね」
「…………」
チクリと刺すような言葉に簡単に動じる事もなく笑みを浮かべた。
(お溢れ、ね……以前のジュリエットが神経を逆立てそうな言葉だわ)
わざと言っているの?と聞き直したくなるようなチクリと刺すような言葉選びがずっと気になっていた。
流石にくじ引きでパートナーを決めたことは知らないのだろう。
でなければ真っ先にアイカはその事を口にしそうだと思った。
ルビーと話している時にマイナスな考えをする理由を問うと大抵「でも……アイカもそう言っていたの」という言葉がいつも出てくる。
それに一度、ルビーとアイカと三人でお茶をした時も、アイカの言葉が気になり「そういう言い方はどうなのでしょうか?」と、やんわり咎めた際に「そんなつもりはなかったの。ごめんなさいね」と、慣れた様子で何事もなかったように躱してきたところをみるに、頭の回転が早い女性だという事が分かる。