婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「あぁ、でもルビーはすっかり腑抜けちゃって……フフッ。あんなに露骨にアピールするのは恥ずかしいとは思わないのかしら?ねぇ、ジュリエット」
「…………」
今度は、ご丁寧に『ジュリエット』が大嫌いだったルビーの愚痴まで言って距離を測ろうとしている。
以前のジュリエットなら間違いなく喜んでアイカの言葉に賛同した事だろう。
アイカと余り関わらないようにしていたせいか、まだ昔のジュリエットのままだと思っているのかもしれない。
「……。ああ、そうだわ。ベルジェ殿下は優しくて照れ屋でいらっしゃるから、今回もわたくしをパーティーに誘えなかったのよ」
「え…………?」
「何度かルビーと御一緒させて頂いた時に、とても可愛らしい反応をするから……今回こそはお誘いをして頂けると思ったのに残念だわ」
「…………」
「あら……リロイ様やルビーから聞いてないの?」
「えぇ、全く」
「……そうなの、残念ね」
アイカは手を合わせて嬉しそうに微笑んでいる。
確かにルビーやリロイは、ベルジェの好きな人がいると言っていた。
それが『アイカ』なのかもしれないと頭に過ぎる。