婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「貴女……」

「それとも…………ベルジェ殿下には、私の方から伝えておきましょうか?」

「…………!!」


アイカの口から歯が擦れるようなギリギリとした音が漏れた。
二人共、全く視線を逸らす事なく、バチバチと火花を散らしていた。
しかしアイカはフッと息を漏らした後、直ぐにいつもの表情に戻る。


「随分と変わったのね…………ジュリエット」


その言葉に、にっこりと笑う事で返事をした。
それにアイカにはルビーとキャロラインがいないところで言ってやりたい事があった。


「ルビーお姉様やキャロライン王女殿下の事ですが……」

「……!」

「アイカ様の御意見は嬉しいのですが、聞いていると心が痛くなるような言葉もあって…………だから少しだけ、二人が上手くいくように協力して頂きませんか?」


最近、ルビーやキャロラインが落ち込んでいる訳を聞いてみると、大抵アイカが絡んでいた。
『モイセス様は事情があるのだから、貴女が出しゃばるべきじゃないわ』
『迷惑になるだけよ。それに余り周囲の方々にも言わない方がいいんじゃない?』
『わたくしは、ルビーの為に言っているのよ?』

そう言ってルビーをモイセスから引かせようとしていた。

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