婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
いつもはリロイが一人で訪ねて来ると「モイセス様について教えて下さいませ!」と、直ぐに突っ込んでいくルビーだが、今日は必死にリロイに向かって、アイカとジュリエットの間にあった事を話始めた。
こんな焦っているルビーを見たのは初めてだった。


「アイカ・ドノレス……か。ドノレス侯爵家の……そういえば一度パーティーに一緒に出席した事があったかな」

「アイカ様もそう言っていました」

「でもあの時は…………」

「??」

「いや、何でもないよ。キャロラインからも何度か聞いた事がある名前だなと思ってねぇ……ふーん、そういう事か」


リロイは顎に手を当てて何かを考えているようだった。
それよりも二人には確認しておきたいことがあった。


「リロイ様とルビーお姉様に聞きたい事があるのですが、ベルジェ殿下の好きな人はアイカ様なのですか?」

「え…………?」

「…………は?」


眉を顰めて困惑するような表情を見せたルビーとリロイに、交互に視線を送っていた。


「……ベルジェが誰を好きだって?」

「昨日、アイカ様が自分で言っていましたけど……」
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