婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
それはジュリエットが本命だから……と言いたいのを二人は我慢していた。
何故ジュリエットはベルジェからの好意に気付かないのか。
何故もう一押しで伝わる筈なのに、ベルジェはあと一歩を踏み出さないのか。
周りから見ていると二人のすれ違いが焦ったくて仕方なかった。
あと少し……それだけで関係は大きく変わるだろう。


「あー……まぁその内、直接言うんじゃないのかな?」

「ベルジェ殿下が、誰かに告白するって事ですか?」

「そ、そうですわね。タイミングとかもありますし」

「確かに……」


そんな時、リロイが思い出したかのように気になる言葉を呟いた。


「最近、ラドゥル伯爵邸に出入りする人が居るみたいなんだ」

「それって、もしかして……!」

「断言は出来ないけど、そうじゃないとも言い切れない……もう少し調べで見るけど限りなく黒に近いだろうね」


リロイの言葉に驚き目を見開いた。
ラドゥル伯爵家……それはマルクルスの事だ。
出入りする人、それはアイカの事を指すのだろう。

そんな時、横から身を乗り出したルビーはリロイの肩を思いきり掴んでグラグラと揺さぶっている。


「あの……ッ、ジュリエットは大丈夫でしょうか!?これ以上、何かあったら、わたくしは……!」

「お姉様……っ!落ち着いてくださいッ」
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