婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
先ずはルビーに近付いた。
「友達になりたいの」と言えば彼女は瞳を輝かせた。

(馬鹿な子……)

しかし何を言ってもなかなか感情を荒げずに隙を見せないルビーに苛立っていた。
憂さ晴らしにルビーの悪い噂を流して孤立させていた。
『人の婚約者を取ろうとしている』
『自分が一番美しいと思い、皆を見下している」
そんな噂を流していても妬み嫉みを向けられたとしても、彼女は笑顔のまま何も揺らがない。
その余りの眩しさと気高さに目が眩む。

その間にも令嬢達と仲を深めながら実践を繰り返していた。
心を開かせた後、悪意を吹き込んで互いが争うように、ぐちゃぐちゃに壊していく。

(ふーん、こうすればいいのね。フフッ、簡単じゃない!)

そう言ってどんどんと自分の立場を確立していった。
勝手に自滅して行く様を眺めるとゾクゾクとした。
感じたことのない快感と優越……次第にもっと欲しくなる。

そしてカイネラ邸に上がれるようになると、やっとジュリエットに近付く事が出来た。
二人の関係を見ていると、面白い事に気付く。
眩い光の裏……深い闇が生まれつつあった。

少し突いてやれば自然と亀裂は広がっていき、ジュリエットは嫉妬に狂って落ちていく。
ジュリエットは素直な分、ずっとずっと扱いやすかった。
ルビーに憎しみを募らせるように仕向けたら面白い程に信じ込んで『アドバイス』を聞いた。
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