婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
会社の飲み会等で酔っ払いの介抱は慣れている為、特に何も思わずにベルジェの世話をしていた。
少し落ち着いたベルジェを見て顔を上げた。


「モイセス様はお姉様と先に会場に向かって下さい」

「だが……!」

「今日は護衛の方も沢山いらっしゃいますし……もう少し落ち着いてから向かいます」

「でも、ジュリエット……」

「お姉様、リロイ様に知らせて下さい」

「……!分かったわ」


背後には恐らくリロイが用意した護衛も含めて、屈強な騎士がズラリと並んでいる。
それに流石にベルジェをこんな状態でパーティーに連れていく事は出来ないだろう。


「私はこの事を国王陛下に報告しなければならない……!すまないが今回はジュリエット嬢の言葉に甘えさせて貰う」

「はい」

「皆、頼むぞ」

「「「はい、隊長……!」」」


どうやらベルジェは『ジュリエット嬢の元に行くから』と言って颯爽に馬に乗ったと思いきやカイネラ邸に突っ走っていったそうだ。
よくよく見れば護衛達も服や髪が乱れているような気がした。
相当、急いでベルジェを追いかけて来たのだろう。
それにパーティーの主役ともいえるベルジェがこの状態ではどうにもできない。


「モイセス様、お姉様を宜しくお願い致します」

「あぁ、勿論だ……!ルビー嬢、行こう」

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