婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「だからっ、誰のものにならないでくれ……頼む」

「…………ベルジェ殿下」

「ずっと、君の事が……っ」


あまりにもストレート過ぎる言葉に戸惑っていたが、ベルジェの今の状態を確かめなければと口を開いた。


「ベルジェ殿下、酔ってますよね?」

「…………うん」

「酔いは覚めたのですか?」

「うむ!」

「…………」


明らかに酔っ払っているようだ。
眠くなったのか、ボーっとしているベルジェの柔らかくてサラサラとした髪を撫でていた。
気持ち良さそうに目を閉じている姿を見て、胸がキュンとする。

(酔うと本音が出やすくなると言うけれど……)

今、言った言葉はベルジェの本心なのかは分からない。

(ベルジェ殿下の気持ちは嬉しいけど、でも……)

今まで心にずっと突っかかっていた事を問いかける。


「ベルジェ殿下は……アイカ様が好きではないのですか?」

「アイカ……?ルビー嬢の、友人の?好意を持った事はないが……」


やはり全てアイカがついた嘘だったのだろう。
安心からかホッと息を吐き出した。
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