婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「わ、わたくしパートナーを待たせて居ますので」

「わたしも!!ご機嫌よう……っ」

「ちょっと貴女達ッ!!」


ジュリエットの堂々とした態度とアイカの歯切れの悪い返事を聞いて判断したのか令嬢達は次々と部屋から去って行く。
それに釣られるようにして他の令嬢も後に続いた。

(賢明な判断よね……)

部屋にはアイカと二人きり……不機嫌そうにアイカの表情が歪む。


「味方も居なくなりましたが、如何なさいますか?アイカ様」

「…………」


此方を鋭く睨みつけるアイカに動じる事なく視線を返した。


「ふっ……」

「…………」

「うふふ、あははッ……!」


突然、アイカは腹を抱えて笑い声を上げた。


「はぁ……あぁ、おかしい」

「……」

「これで勝ったつもり?あり得ないわ」


怒りが籠った低く小さな声が響いた。


「本当、昔のアナタは素直で可愛かったのにね。今は本当に最悪ね。ふふっ、でもこんな人目のない所に一人残るなんてね……馬鹿ね」

「…………」


それでも表情を変えないで平然としていると、気に入らないのかムッとしている。
すぐに余裕のある笑みを浮かべたアイカは二回ほどコンコンと叩いた。
< 205 / 229 >

この作品をシェア

pagetop