婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
リロイは鋭い眼光でアイカを問いただす。
しかしアイカは知らぬ顔で首を傾げた。


「言い掛かりですわ。わたくしとマルクルス様は何の関係もないわ……あの男が勝手にした事でしょう?」


知らなかった。気付かなかった。言った覚えはない。
謝罪をしたり認めつつも否定してヒラヒラと躱していくアイカ。
やはり決定的な証拠がなければならないと、アイカを追い詰める事が出来ないと、そう思った時だった。


「どういう事だ……?何をッ、何を言っているんだ?」


頭を押さえながら起き上がり、声を上げたのはマルクルスだった。


「マルクルス……君を利用してアイカ嬢はベルジェに近づこうとしていたみたいだよ?」

「なっ……!?」


マルクルスはアイカを見ながら目を見開いている。


「……知らないわ。きっと勘違いしたのね」

「なん、だとッ!?」

「可哀想に……でも、こんな風に執着するなんて惨めね。鏡でご自分の姿を見た方がいいわ」

「ーー!?な……ぼくに、僕に、嘘を吐いたのかッ!?」

「だから、違うと申し上げているでしょう?」
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