婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
令嬢達はクスクスと笑いを堪えているようだ。
呆然としていたアイカは羞恥に肩を震わせている。
どうやら自分がベルジェの『特別』だと示すつもりが、これだけの人数の前で直接、ベルジェの口から否定されてしまえばシラを切る事はもう出来ないだろう。


「……ずっと、ジュリエット嬢に想いを寄せていた」

「ベルジェ、殿下……!?」


突然の告白に名前を呼ぶ声が裏返ってしまう。
ベルジェは突然、その場に跪いて徐に手を引いた。
そして、今度は真っ直ぐに目を見つめてから口を開いた。


「もう一度言う!俺は……ジュリエット嬢が好きだ。君に、ジュリエット嬢に会う為にカイネラ邸に通っていたんだ」

「…………!」

「こんな俺が……君に相応しくないのではと思った。何度も諦めようとした。けれど気づいたらジュリエット嬢の事を考えてしまって……俺はっ」

「「「……!?」」」


突然の告白に驚き目を剥いたのは自分だけではないのだろう。
訪れた沈黙……誰も声を出さなかった。


「それに先程は、迷惑を掛けてすまなかった……!でも、あの気持ちは本物だ!本当は忘れて欲しくないっ!忘れないでくれ!!君が好きだッ!!!大好きなんだっ」

「!!」


その後、ベルジェは縋り付くような弱々しい声で答えた。


「ジュリエット嬢……今の俺は、嫌いだろうか?」

「…………!!」

「ジュリエット嬢に嫌われたくないんだっ……!!」
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