婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
そして何故か今の構図まで似ているようだ。
それが『ルビー』ではなく『ジュリエット』になったという事だ。
追い詰められた事でアイカが今から何をするのか、何故か鮮明に頭に浮かんだ。
今までの我慢の反動と、大きな挫折を受け入れらないアイカは今から短絡的な行動を取ってしまう。
(このままだと、ベルジェ殿下が……!)
それに対抗する為に直ぐに辺りを見回した。
そして鎧の甲冑が持っている『ある物』を見て、直様そこに向かった。
足を使って鎧を押さえながら、懸命にソレを引っ張ってから手に取った。
(……重いっ!)
大切なものを守りたい、傷ついて欲しくない。
その思いで手に力を込めた。
「ーーー邪魔なのよッ!!!!」
大きな叫び声と共に、アイカが隙を見て騎士が持っていた剣を腰から引き抜いた。
そして刃先を此方に向けて足を踏み出した瞬間、ベルジェの隣にジュリエットの姿はなかった。
「え………?」
アイカの足がその場でピタリと止まる。