婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
ベルジェの指示でアイカは騎士達に引き摺られるようにして連れて行かれた。
放心状態の彼女に向けられる視線は冷ややかなものだった。

そしてリロイに何の見せたのか問うと彼は黒い笑みを浮かべながら「内緒……」と答えたのを聞いて背筋がゾッとした。


「もうアイカ嬢とは会う事もないだろうね……」

「……リ、リロイ様。一体何を」

「掃除だよ、掃除……これもバーズ公爵家の仕事のうちさ」


そして騎士の一人に紙を持っていくように頼んだ時のリロイの笑みが心から楽しそうであった。

皆が誘導されながら疎に会場に戻って行く中で、キャロラインとルビーと無事を確かめるように抱き合っていた。
そしてリロイはキャロラインを連れて、ルビーはモイセスに連れられて会場に戻って行った。
全ての問題が解決した事でスッキリとして気分爽快だった。

残された部屋の中で、ベルジェと目を合わせてから二人で顔を真っ赤にしながら視線を逸らした。


「…………」

「…………」

「戻ろうか……」

「はい」


けれどベルジェの足はピタリと止まったまま動かない。
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