婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
顔を上げるとベルジェが真剣に此方を見つめていた。


「改めて、俺はジュリエット嬢のことが好きだ!その…… 勿論、異性として『愛している』と、いう意味で」

「…………!」

「前向きに、考えてくれる事……とても嬉しく思う」



顔を真っ赤にして瞼を閉じているベルジェの手を掴んで引き寄せてから頬に擦り寄せた。

(やっぱり、この気持ちは恋なのかな……)

ドキドキと高鳴る心臓……本当は分かっていた。
皆の前で恥ずかしくて答えを濁してしまったが、今ならばハッキリと言える。


「私もベルジェ殿下が好きです……!」

「…………ッ」

「フフッ、両想いですね」


そう言ってから、背伸びをしてベルジェの頬にキスをする。
すると彼はその場で口元を押さえた。
そして……ベルジェの手のひらの隙間から赤い液体がポタリと滴った。


「えっ?血……っ!?ベルジェ殿下ッ!?」

「すま、ない……刺激がっ…………ゴフッ」

「きゃあ……!誰かあぁあ!誰か来てッ!ベルジェ殿下が……!ベルジェ殿下、しっかり!!」
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