婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「まさか……本当ですか?」

「あぁ、すまない……っ!俺の配慮が足りないせいでルビー嬢には……」

「いえ、いいのです。全く問題ありません」

「…………え?」

「むしろベルジェ殿下にそう言って頂けて嬉しいですわ」

「……?」


ルビーは落ち込むどころか瞳を輝かせている。
理由は分からないが、どうやら気持ちがジュリエットに向いている事を知っても問題ないようだ。
心の中でホッと息を吐き出した。


「ベルジェ殿下、宜しければ、わたくしに詳しく話して下さいませ。お力になれる事があるかもしれません」

「あ、あぁ……」


自分がジュリエットが気になっており、本当はジュリエットの事をルビーに詳しく聞こうとしてカイネラ子爵と連絡していた事を説明すると、彼女はコテンと首を横に動かした後に不思議そうに問いかけた。


「でしたら、どうして"ジュリエット"が目的なのだと父と母に連絡を取らなかったのですか?直接、ジュリエットに手紙を送る事だって出来ましたのに」

「え……?」

「このやり方では勘違いされても仕方ありませんわ。実際、ジュリエットはその間にマルクルス様と婚約をしてしまいましたから」

「…………ぁ」


その言葉を聞いて、今更ながら愕然とする。
何故ジュリエットが気になっていると伝えないまま、ルビーに連絡を取ろうと思ったのかは、恥ずかしいのもあったが、改めて問われると全く理由が分からない。
彼女の言う通りだと思った。

今ならばハッキリと分かるのに簡単なミスを犯した事に戸惑っていた。
ただ下準備がなければ会えないと強く思った事だけは強く覚えていた。
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