婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「だからもし……もし殿下があの子の事を気に掛けて下さっているのなら、わたくしの代わりにジュリエットを守ってください。今まではアイカ様にお願いしてばかりいたけれど、ベルジェ殿下なら……」

「……ルビー嬢、貴女は」

「わたくしのせいで、あの子には随分と迷惑を掛けてしまって」

「…………」

「烏滸がましい願いだと分かっています。でもわたくしはジュリエットが大好きだから」

「その気持ち……俺もよく分かる」

「え……?」

「俺も、可愛い妹が居るのだが……でもあまり好かれていないんだ。いつも『お兄様が来るとめちゃくちゃになるの!あっち行って』って言われてしまって」

「分かりますわ!わたくしもよくそう言われて……」


その後は"妹トーク"で盛り上がりながら二人で笑い合った。
何故か異常な程に一致する二人の環境に驚きつつも話が弾む。
ルビーとは共通点ばかりだと思った。

少し離れた場所でカイネラ子爵達はホッとしながら見ている事にも、ジュリエットが窓の外から見下ろしているとも気づかずに……。

そして話はルビーがモイセスを気になっている理由についてに流れていく。


「幼い頃に街に侍女と遊びに行ったのですが、その時に盗賊に襲われて、そのまま連れ去られてしまいました。とても怖くて震え上がっておりました。その時に颯爽と現れて助けて下さったのが若かりし頃のモイセス様なのです」

「……!!」
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