婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
二人が気合いを入れている頃ーーー。


「平和ですね……」

「……平和だな」


ジュリエットとモイセスは、いつもの場所に座りながら、まったりとハーブティーを啜っていた。
カイネラ子爵家は様々な茶葉を卸して商いもしている。
邸には色々な茶葉があって、毎日美味しいお茶を飲む事が出来る為、楽しんで毎日を過ごしていた。


「……ん?口の中がスースーするな」

「フフッ!ミントティーですよ」

「ミント……?どうりで」

「気に入りましたか?」

「あぁ、以前の酸っぱいお茶よりはマシだな」

「ローズヒップティーは女性に人気ですよ?」

「…………私は二度とゴメンだ」

「あははっ……!」

「私にこんな事を言って笑っているのはジュリエット嬢だけだぞ?」

「そうなのですか?」

「あぁ……」


そう言ってモイセスは優雅な仕草で紅茶を持ち上げた。
ジュリエットの記憶にはあるが、ベルジェ程ではないが、彼は注目を浴びているようだ。
バーズ公爵家の嫡男であり、剣の腕も確かで端正な容姿をしていれば目を引くことだろう。
見た目とのギャップも凄いので、余計に面白いと感じるのかもしれない。
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