婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
彼の頭に葉っぱが付いていてそれを取ろうと手を伸ばした瞬間…………躓いて前のめりに体が倒れていくのを感じて思いきり目を閉じた。
しかしいつまで経っても痛みはない。
何かに支えられている感覚に恐る恐る目を開けると……。


「大丈夫、か……?」

「ありがとう、ございます」


どうやらモイセスが倒れ込みそうな体を間一髪、支えてくれたようだ。


「はぁ、びっくりした……!」

「……全く、目が離せないな」

「モイセス様の頭に葉っぱが付いていたので取ろうとしたのですが……」


そう言うとモイセスが頭に手を伸ばして髪を払う。


「……取れたか?」

「まだです」

「…………ここか?」

「もっと右です!」

「どこだ……?」

「このまま払いますからじっとしていて下さいね」


モイセスは葉が取りやすいように屈んでくれた為、そのまま葉を掴もうと手を伸ばす。
すると向こうには、思いきり目を見開いて此方を見ているベルジェとルビーの姿が目に入った。
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