Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「ご、ごめんなさい。
ちょっと怖い夢を見ただけ。」

「お水をお持ち致しましょうか?」

「い、いえ、大丈夫です。
あ……今って、何年?」

「え?年号ですか?ミロン12年ですが…それが何か?」

「な、なんでもないわ。
起こしてごめんなさい。」

私は無理に微笑んだ。



(ミロンって…何!?)



タイムスリップだとしても、言葉はどう考える?
大昔は、全国共通の言語が使われてた、とか?
まさかね。



でも、かなり昔なのは間違いない。だからこそ、電気もないし、生贄なんておかしなこと、考えるのよ。



しかし困ったな。
なんとか森から脱出出来たとしても、どうやって現代に帰れば良いの?



(鏡だ!)



私は鏡に呼び出されたって言ってた。
だったら、鏡によって元の時代に戻れるんじゃ…



あ、そういえば、あの部屋にも鏡があったような気がする。
ってことは、宮廷魔道士っていうのは、魔法使いみたいなもの?
私は魔法で呼び出されたの?



(えー……)



論理的に考えたつもりだったけど、結論は突拍子もないようなことだった。



魔法なんて本当にあるんだろうか?
やっぱりすぐには信じられない。
でも、そう考えないと、私が今、こんな所にいる理由がわからなくなる。



(はぁ~…)



眠気はすっかりどこかに吹き飛んでいた。
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