Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
(はぁ、本当にすごいお城だな。)

改めて見るお城の内部は、広いだけじゃなく、造りもとても凝っている。
アルシオン城なんて聞いたこともないけれど、かなり立派なお城だよ。
それにしても、たかが散歩だっていうのに、剣を下げた人まで着いて来るんだね。
これはうまいことやらないと。



「どちらに行かれますか?
庭でも見られますか?」

「いえ、今日は城の中を見てみたいです。」

そう、確かこっちだった。
私、意外と記憶力は良いんだから。
っていうか、ほぼ一本道だったから間違いようがないだけだけど。



あそこだ!
似たような扉だらけだけど、多分間違いない。
あの部屋の前を通り過ぎる直前に部屋に入って…
そして、鏡に飛び込むんだ。



(行くわよっ!)



扉には鍵はかかっていなかった。



「待てっ!」

護衛の男が着いてくる。
捕まってたまるもんか!
いくら護衛とはいえ、下手したら斬られる?
まさかね…



私は素早く部屋の中に入る。
あった!やっぱり、部屋の中に大きな鏡があった。
きっと、私はこの鏡から出て来たんだ。



(さらば、おかしな世界!)



私は鏡に飛び込んだ。
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