Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「い、いたっ!」

私は反動で弾き飛ばされ、床に倒れ込んだ。



「なんということを!」

護衛が射るような目で私を睨み付ける。



「巫女様、大丈夫ですか?」

メイドさん達が、私を立たせてくれた。



(どうして!?)



なぜ、鏡に吸い込まれなかったんだろう。



「あ……」

鏡にはヒビが入っていた。
とりあえず、割れなくて良かった。
割れてたら、大怪我をしていたかもしれない。



「メリッサ、ロザリー様に今のことを報告しなさい。
さぁ、巫女様、部屋に戻りますよ。」

護衛に腕を掴まれ、私はまたあの部屋に連れ戻された。



ショックだった。
せっかくのチャンスを不意にしてしまったことがものすごく悔しかった。



(あ…!)



突然、頭の中にひらめくものがあった。



そうだ…きっと、鏡には魔法をかけないとだめなんだ。
あの時は眩い発光があったけど、さっきはなかった。
それはきっと、鏡が作動してないってことだったんだ。



焦りすぎた。
あんなことをしてしまったから、もう部屋からは出してもらえないだろう。
私は取り返しの付かない失敗をしてしまったことに気付き、深い悲しみに包まれた。
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