Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
(お腹…すいた……)



目が覚めた時に一番に思ったのはそれだった。
でも、無理だ。
森の中には食べ物はない。
それは間違いないこと。



(……ん?)



私は部屋の中にいて、ベッドに寝ていた。
おかしいな。ここは森なのに。
夢を見てるのかな?



あたりを見渡す。
見覚えのない部屋だ。
ゆっくりと体を起こす。
窓の外は夕焼けだった。



おかしい。
森の中では、夕焼けなんて見えなかったよ?
そうか、やっぱり私は夢を見てるんだ。
でも、怖い夢じゃなくて良かった。



(綺麗な夕焼け……)



その時、お腹がぐるると鳴った。
夢の中でも空腹は満たされないんだね。切ないなぁ。



「おや、目が覚めたかい?」

突然、部屋に入って来たおばあさんの顔には見覚えがあった。
でも、どこで会ったのかは思い出せない。



「水を飲むかい?」

「み、水!?」

おばあさんは手に水差しを持っていた。




「く、下さい!」

おばあさんは、グラスに水を注いでくれた。
私はそれをひったくるように受け取ると、ぐびぐびと飲み干した。
なんて美味しい水だろう。
体中に、元気が漲るようだ。
夢ってこんなに現実的だったかな。
まるで、本当のことみたい。
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