Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「とにかく、病人を診てもらおう。
さぁ、ドク…こっちです。」

おばあさんは、魔法医を家の中に招き入れた。



「ジョゼットさん、良かったですね。
これでもう大丈夫ですよ。」

「ええ、ホッとしました。」

ジョゼットさんは、溢れ出た涙を拭った。
やっぱり、ずいぶん心配してたんだろうね。
これで治ってくれたら良いけど。



しばらくして、家の中から怒声が聞こえて来た。



「なんでしょう?行ってみましょう!」

私達は部屋の中へ駆け込んだ。



「なんだよ、このヤブ医者!」

「そうじゃなくて、本当にこの人は悪いところはないんです。」

イザベラさんの部屋の中で、おばあさんと魔法医が言い争っていた。



「そんな訳があるか!
魔法も使えないし、こんなに弱ってるじゃないか。」

「でも、本当に悪い所はないんです。
あるとしたら、心の問題です。
何か深い悩みがあるのではありませんか?」

「心の問題だぁ?
そんなわけが…」

そこで、イザベラさんが急に泣き出した。
堰を切ったような、とても激しい泣き方だった。



「イザベラ、どうしたんじゃ?
こんなヤブ医者の言う事など気にすることはないぞ。」

まだ泣き声はおさまらない。
私達は落ち着かない気分で、
顔を見合わせた。
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