Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「子供に名を訊くと、ジョシュアだと言った。
ここへは昨夜チャールズに連れてこられたのだと言った。
真っ暗な魔の森で夜を明かしたせいか、顔には涙の跡があったけど、私にはしっかりとした口調で話したよ。」

今までジョシュアなんて名前は聞いたことがない。
一体、誰のことを話しているんだろう?



「私はジョシュアを連れ、家に戻ろうとした。
その時に気付いたんだ。
その子の指が欠けていることに。」

「えっ!!」
「え!」



私とジョゼットさんの驚きの声が重なった。
そして、なんとなく思った。
これは、もしかしたらジョゼットさんに関係ある話ではないのか、と。



「それだけじゃない。
私は重大なことに気付いたんだ。
この子は、アルシオンの第一王子だったジョシュア様なのだとね。」

「な、なんだって!?」

「お母さんも知ってるよね。
鷹狩りの帰り、鷹が暴れて国王に向かっていき、それを止めようとされたジョシュア様が鷹の嘴により指を失くされたことを。」

「もちろんさ、指を失くしたことでジョシュア様は廃位され、やがて引き取られた先ですぐに亡くなられた。
薄幸の王子として、話題になったからな。」

廃位って、多分、王子の地位をなくすってことだよね?



「あの…どうして、王子様は廃位されたんですか?」

「王となる者は、完璧でなくちゃだめなんじゃ。
体の一部でも失くしてしまうと、王になる資格を失うんじゃ。」
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