Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「それは当然のことです。
そんなことをされて、何とも思わない人なんていません。
私だって……」

言いかけて、私は気がついてしまった。
直接的には私をこの世界に呼び出したのは、宮廷魔道士のサーマリーさんとロザリーさんだけど、生贄を捧げるのは、王様を助けるため。
そうだ…ジョゼットさんのお父さんのせいで、私は死にかけたんだ、と。



王様が、生贄を捧げるように言ったのかどうかはわからないけど、とにかく間違いなく私は王様のせいで死ぬ目にあった。それだけは間違いない。




「梓さん…?」

「あ、あぁ、だから、ジョゼットさんがチャールズを恨むのは当たり前だということです。
なんせチャールズはあなたを殺すつもりだったんですから。」

「梓さんも同じようなことを体験……あ……」

ジョゼットさんの言葉が唐突に途絶えた。



「ジョゼットさん…?」

「梓さんは、陛下のために生贄に……」

まずい!ジョゼットさんが気付いてしまった。
そりゃあ確かに王様に対してはちょっと嫌な気持ちを持っているけど、ジョゼットさんにまでそんな気持ちは持ってはいない。
ジョゼットさんには同情こそすれ、恨む気持ちなんてない。



「申し訳ありません!」

「ジョゼットさんが謝ることなんてありません。」

「ですが、梓さんは陛下を助けるために生贄に…」

それを言われると、気持ちがざわざわしてしまう。
だって、あんなに怖かったんだもん。
死の縁をさ迷ったんだもん。
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