悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
その日の公務中もやはりイザベルとは意見が食い違い、なかなか孤児院の計画を進める事ができない。
今度こそ納得してもらおうと資料を持っていくけれど、孤児院はそんなに甘くないの一点張りなのだ。

ふぅ。
苦労してここまで来たから他の人間を認められないっていうのはわかるのだけれど…。
国のことを思うと、よき人材は大事にするべきなのだけれどね…。

それに公務を行いながらもオフィーリアの心の奥では常にアシュトンの身が気になっていて、もう3日経つというのに何の音沙汰もないのが気がかりだった。

あとでキングスコート卿に聞いてみようかしら…。

その日はリヴァイが非番でいつもとちがう護衛騎士がついてくれていた。

午前中の公務が終わり、執務室を出たところで、ちょうどウォルターと出くわした。

「これはオフィーリア嬢」

なぜかウォルターはオフィーリアのことをいまだに令嬢と呼ぶ。

「キングスコート卿」

「今日、お昼から少しお時間いいですか?」

「え?あ、はい。大丈夫ですが何か?」

ウォルターから用事があるなんてめずらしい。と思ったが、アシュトンの安否をきけるかと思い、OKした。

「ええ。今日も王宮庭園を散歩されるならご一緒したいと思いましてね。2時ごろバラ園の前でどうです?」

「はい。では伺いますわ」
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