悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
ああ…

オフィーリアの心の中にあったかいものが流れ込んでくる。

アシュトンの…
小説の中じゃなく、これが生身のアシュトンの…気持ち。

「よいのですか?悪女で婚約クラッシャーで…男たらしの…オフィーリアかもしれないですよ」

クスクスとアシュトンは笑うと、ギュッとオフィーリアの腰に手を伸ばし引き寄せる。

「ああ。ならたらし込まれてみたいものだな」

「まあ」

プクッと頬を膨らませると、頭の後ろにいつのまにか手を伸ばされていたのか、そのまま引き寄せられ唇を重ねられた。

「んんっ…」

何度も繰り返されるキスにクラクラとしてきて、徐々にお腹の奥がキュンキュンしてくる。

あ、もっと…。

「で?返事は?」

キスの合間に言われるとまたキスされる。

「んんっ…」

「俺のことを好きだと言うまでやめないぞ」

「んっ…それならいいません…」

「なに?」

「やめないでほしいから…」

そこまで言うと、アシュトンは、ぎゅと抱きしめ、そのままストンと椅子の上にオフィーリアの上半身を横たえた。

上から見下ろされると、オフィーリアのお腹の奥のキュンキュンがさらに大きくなる。

ああ。カッコいい。
カッコよすぎです。アシュトン殿下。

「やはり男たらしだな。このままでは終われなくなりそうだが?いいのか?」

「じゃあ…ちゃんと…ふかふかのベッドの上でお願いします」

オフィーリアがいうとアシュトンは、頭を抱え、そして、突然立ち上がるとヒョイっとオフィーリアを横抱きにした。

「アシュトン殿下?」

「了承したとみなすぞ」

「え?今すぐにですか?」

「当たり前だ。これ以上どう我慢しろと言うんだ?」

「待って!心の準備が!」

「待たない!」
< 63 / 107 >

この作品をシェア

pagetop