悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました


「アシュトン様。お誕生日おめでとうございます」

「え?」

誕生日が今日だということはウォルターから聞いていた。
こっそり教えてもらったのだ。

どうもラングレーではあまり誕生日を祝うという習慣がなく、贈り物をしたりはしないしきたりのようだった。
貴族ですら自分が産まれた日にちすら知らないものも多いのもあるのかもしれないが、王太子なので、その辺の記録はしっかりしており管理はされていた。
ウォルターに調べておいて欲しいと言ったところ、すぐに教えてくれた。

アシュトンはある冬の雪の降る23年前のこの日にこの世界に生を受けたのだ。

不思議な感じがした。
自分がそのときこの世界にはいなかったのだ。
だけど、アシュトンはいて、そして今自分はそのアシュトンと夫婦となり、生きている。

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