悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
11.オフィーリアへの手紙
「わからないな」

「なぜだ?オフィーリアは祝うといっていたぞ」

「だが、調べたのだが、マウザナイトでもそういう習慣はないらしい。リヴァイにもエレンにも確認したが、2人もないというし、大使館にも連絡を入れたがないという。そもそも妃殿下の誕生日は不明だ。マウザナイトでも誕生日は王族くらいしか管理されていない」

「なんだと?」

「それで、少し奇妙な点がひっかかってきてな。お前に言っていいのかどうか迷うが…」

「なんだ?」

ウォルターの口調からいくと、なにかオフィーリアのことでよからぬ報告があるということではないのだろうか。
ドギマギするが、それでも自分はどんなオフィーリアであろうと好きでありつづける自信はあった。

「妃殿下がオルブライト公爵の娘であることは確かだが、どうやら夫人の産んだ子ではないらしい」

「ほう」

外で産ませた子をさも夫人が産んだように見せかけているということか。
オルブライト家のオフィーリアへの関心の無さもそれなら説明がつくというものだ。

「身分の低い女に産ませた子を夫人の子として育てたということか」

「そうらしい。ただな」

「なんだ?」

「その実の母親なんだが、まったくわからないんだ」

「……」

「情報がない。もしかしたら妃殿下が誕生日を祝うというのが実の母親に係っているのかもしれないと思ってね」

なるほど…
ならば実の母親は外国の人間ということになるか…。

オフィーリアがどこの馬の骨であろうと、今現在マウザナイトの名門オルブライト公爵家の令嬢ということになっていれば、俺としてはそれでいい。自分と身分が釣り合えばいいのだから。
堂々と妻と言えるなら何の問題もない。

もう誰にも渡せないくらい惚れている。

それは間違いないのだから。

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