悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画～それでも王太子を愛してしまいました

「そういえば孤児院事業も順調のようだな」

「ああ。オフィーリアもヤル気満々だしな。孤児院側の評判も上々だ」

先日、孤児院の院長を集めて奨学金制度の説明会を行ったが、難色を示した孤児院もあったが、おおむね反応はよかった。
ただ、オフィーリアは院長だけでは信用できないというので、孤児院に訪問した際、子どもたちを集めてこの説明をしたいと言うと言っていたが、案の定、そう言ったとたんに難色を示した孤児院もあり、その孤児院へは不正が行われていないかの調査を入れたところいろいろと出てきて、本当にオフィーリアの手腕には驚かされるばかりだ。

「さすがというべきか」

ウォルターもさすがにオフィーリアがここまでやるとは思っていなかったようだ。

「彼女の迫力には舌を巻くね」と先日も言っていたところだ。

「ブルトニア三国のオーガスタス・キンバレーがまた接触してきたぞ」

「またか」

これもいい加減に決めなければならないな。夫婦で来いの一点張りだ。
本当にオフィーリアを連れていくかどうかを決定しなければならないところまで来ている。
まずはオフィーリアにきちんとこのことを伝えなければならない。

「今回はさらにつついてきてる。妃殿下個人あての手紙まで同封されている。これを渡してほしいと」

「なんだと？」

きちんと封蝋を押してあるそれは、硬質の封筒に重厚に包まれていた。
なんとなく厳かな感じがする。
ここまでされて…無視するわけにはいかないな。

アシュトンはその封筒を受け取った。

「オフィーリアに話してみよう」

「そうだな。その方がいいだろう」