悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
◇
「少し早かったかしら…」
アシュトンの腕の中で目覚め幸せを実感する。
毎日こうやってとなりで目覚める事ができる幸せを。
本当に、なんて幸せなんだろう。
最愛の夫が毎日愛を囁いてくれる。
王太子妃として始めた事業はすべて順調に進み、王家の財政は以前より潤いを増し始めている。
国王陛下、並びに王妃殿下からも認められるようになった。
王宮の使用人はみなオフィーリアを崇拝している。
こんなに全てが順調なのだ。
何もこれ以上望むことなどないはず…
けれど、最近気付いたのだ。
この胸の奥にどす黒い感情がくすぶり続けていることを。
それは、ずっとずっと、この最愛の夫をだまし続けているということに対する罪悪感と申し訳なさと、そしてその真実を一生告げる事ができないというこの絶望感だ。
だって、誰が信じる?
小説の中だと思っていたところに転生したという事実を?
そもそも転生なんて…あり得る?
そんなこと、アシュトンにですら言えない。
言ったら信じてもらえるわけないし、ひかれるだけ。
そしてそんなことでもし嫌いになられたら…
自分はどうやってこれから先生きていけばいいのかわからない。
この事実を…ずっと抱えて生きていかなければならない。それは絶望以外の何物でもなかった。
それに…
アシュトンは自分との間に子どもをつくろうとしていない…。
その事実もオフィーリアを苦しめる。
避妊しているのだ。
王太子と王太子妃という認められた関係であるにもかかわらず。
世間は跡継ぎを望んでいるにもかかわらずだ。
どうして?
わたしじゃ役不足なの?
他にも妃を迎える予定なの?
もっと健康な令嬢をラングレーの貴族から迎えて、その方に産ませるつもりなの?
クラーラ・リュートンが妃候補に挙がっていることは知っている。
それは今も同じ。
ラングレーの貴族の間では、他国の妃はただ友好のために娶っただけであり、正統なラングレーの妃を迎えてほしいという動きがある。
アシュトンはその言葉にのっとってクラーラを妃として迎えようとしているのかもしれない。
もしかしたら自分との間にそのまえに子ができれば困ると…。
けれど、好き。
大好きなの。
そう思って、ギュっとアシュトンの大きな胸にほっぺをうずめたらアシュトンが目覚めた。
「少し早かったかしら…」
アシュトンの腕の中で目覚め幸せを実感する。
毎日こうやってとなりで目覚める事ができる幸せを。
本当に、なんて幸せなんだろう。
最愛の夫が毎日愛を囁いてくれる。
王太子妃として始めた事業はすべて順調に進み、王家の財政は以前より潤いを増し始めている。
国王陛下、並びに王妃殿下からも認められるようになった。
王宮の使用人はみなオフィーリアを崇拝している。
こんなに全てが順調なのだ。
何もこれ以上望むことなどないはず…
けれど、最近気付いたのだ。
この胸の奥にどす黒い感情がくすぶり続けていることを。
それは、ずっとずっと、この最愛の夫をだまし続けているということに対する罪悪感と申し訳なさと、そしてその真実を一生告げる事ができないというこの絶望感だ。
だって、誰が信じる?
小説の中だと思っていたところに転生したという事実を?
そもそも転生なんて…あり得る?
そんなこと、アシュトンにですら言えない。
言ったら信じてもらえるわけないし、ひかれるだけ。
そしてそんなことでもし嫌いになられたら…
自分はどうやってこれから先生きていけばいいのかわからない。
この事実を…ずっと抱えて生きていかなければならない。それは絶望以外の何物でもなかった。
それに…
アシュトンは自分との間に子どもをつくろうとしていない…。
その事実もオフィーリアを苦しめる。
避妊しているのだ。
王太子と王太子妃という認められた関係であるにもかかわらず。
世間は跡継ぎを望んでいるにもかかわらずだ。
どうして?
わたしじゃ役不足なの?
他にも妃を迎える予定なの?
もっと健康な令嬢をラングレーの貴族から迎えて、その方に産ませるつもりなの?
クラーラ・リュートンが妃候補に挙がっていることは知っている。
それは今も同じ。
ラングレーの貴族の間では、他国の妃はただ友好のために娶っただけであり、正統なラングレーの妃を迎えてほしいという動きがある。
アシュトンはその言葉にのっとってクラーラを妃として迎えようとしているのかもしれない。
もしかしたら自分との間にそのまえに子ができれば困ると…。
けれど、好き。
大好きなの。
そう思って、ギュっとアシュトンの大きな胸にほっぺをうずめたらアシュトンが目覚めた。