悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました


「俺には魔術の心得があることは話したな」

「ああ」

「実はそれ以外にも未来を予言することがたまにある」

それも噂では聞いていた。その予言というカリスマ性がブルトニア三国の長として君臨できている証でもある。

「まず初めに言っておこう。オフィーリアは聖女だ」

「え?」

オフィーリアが驚く番だった。

「聖女はその時代の危機を助ける者。アシュトン殿下。あなたには悪いがもうすぐ、ラングレーに、大飢饉が起きる。その時助けるのがオフィーリアだ」

「なんだと?」

あー…それは、小説の通りなのね。とオフィーリアは思った。
小説ではその飢饉をミリュエルが救う。
けれど、現実はわたしということ?
やはり小説とは似ていて…でも違う世界。

「オフィーリアはそういう星の下に生まれた特別な女性だ。それなのに母がないがしろにし、オフィーリアをマウザナイトへ売ったのだ」

オーガスタスは一息つくと、池に向かって小石をひょいひょいと投げ込んだ。

「俺はその時過ちを犯してしまった。オフィーリアが行きたくないと言ったから、いかなくて済むような魔術を調べ、その魔術をほどこしたのだ」

「オーグ教えて。あの魔術はどういうものだったの?」

「ある一定期間の時を飛ばして、未来へ魂を送るというものだ。オフィーリアは将来アシュトン殿下と結ばれることはわかっていたからその時まで魂が飛べばいいと思った。とにかくオルブライト公爵がいい人物とは思えなかったので、そこをすっ飛ばせばと…だがそんなこと間違っていると今ならわかる。子どもの考えそうなことだろう?そんなことで一生後悔するとはつゆ知らず」

「そう」

これで納得がいった。
全てが繋がる。
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