天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
今さら何が言いたいの?
昨日会った途端に泣き始めた佐倉さんの顔が目の前に思い出される。
あんなに人前でボロ泣きする男の人は初めてだった。あの涙は素直な気持ちで裏なんてなかったように思えた。
私は顔を洗い、頭がクリアになったところでまたスマホを手に悩んでいた。
竹之内さんがわざわざ言いに来てくれたのを無碍にするのは申し訳ない気がしてきた。
母が少しでも好きだった佐倉さんの涙に嘘はなかったと思いたくなった。
私は竹之内さんの表示をタップした。
メッセージは佐倉さんからのものでとても長いものだった。
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