天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
ようやく5日間の連休が明け、今日から通常通りに戻った。
久しぶりの営業で、待っていましたと言わんばかりに常連のお客さんたちが詰め寄せてくる。
ランチタイムを過ぎ、14時近くになるとようやく落ち着きを見せ始めた。

「茉莉花ちゃん、休憩しましょう」

幸子さんが三角巾を外しながら椅子を並べ始めた。
私も三角巾を外しながら並べるのを手伝う。

「今日は混んだわね。久しぶりだから疲れたわ」

「本当ですね。足が痛くなりました」

みんなで残ったお弁当を持ってきて遅めのお昼ご飯になる。
今日はきのこの炊き込みご飯と鯖のお弁当にした。
お茶を淹れ、テーブルを囲みようやく一息ついたと思ったら店頭から「すみません」と呼ぶ声が聞こえる。
幸子さんが立ちあがろうとしてくれるが、私が行きます、と合図して私が店頭に出た。

「お待たせしてすみません」

そう声をかけ、ふと顔を見るとお客さまは竹之内さんだった。
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