天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
「いらっしゃい」
「こんにちは。おすすめのお弁当を2つお願いします」
竹之内さんは先ほどの砕けた表情からいつもの秘書の堅い顔に戻ってしまった。
「だいぶ売れてしまったのでこれしかないのですが、この炊き込みご飯と鯖の弁当は茉莉花ちゃんも今日のお昼ご飯にしてるくらいお気に入りですよ」
安治郎さんは愛想よく答えるが、なんとなく竹之内さんを品定めするような目つきで彼を見ている。
「ではそれをお願いします」
お会計を済ますと私と安治郎さんに頭を下げ、彼は帰って行った。
「茉莉花ちゃん、知り合いかい?」
安治郎さんはただの客ではないと気がつき声をかけてきたようだ。
「母の友人の秘書さんらしいです。連休中に母の友人と食事をしたので知り合いになりました」
「そうかい。てっきりナンパされてるんだと思って出てきたんだよ」
「な、ナンパ? まさか。私に限ってそんなことありませんよ」
思ってもみない話に慌てて手を左右に振った。
「そんなことないさ。常連さんによく茉莉花ちゃんは可愛いって言われてるんだから。うちの看板娘だよ」
そう言うとまた裏に戻って行った。
「こんにちは。おすすめのお弁当を2つお願いします」
竹之内さんは先ほどの砕けた表情からいつもの秘書の堅い顔に戻ってしまった。
「だいぶ売れてしまったのでこれしかないのですが、この炊き込みご飯と鯖の弁当は茉莉花ちゃんも今日のお昼ご飯にしてるくらいお気に入りですよ」
安治郎さんは愛想よく答えるが、なんとなく竹之内さんを品定めするような目つきで彼を見ている。
「ではそれをお願いします」
お会計を済ますと私と安治郎さんに頭を下げ、彼は帰って行った。
「茉莉花ちゃん、知り合いかい?」
安治郎さんはただの客ではないと気がつき声をかけてきたようだ。
「母の友人の秘書さんらしいです。連休中に母の友人と食事をしたので知り合いになりました」
「そうかい。てっきりナンパされてるんだと思って出てきたんだよ」
「な、ナンパ? まさか。私に限ってそんなことありませんよ」
思ってもみない話に慌てて手を左右に振った。
「そんなことないさ。常連さんによく茉莉花ちゃんは可愛いって言われてるんだから。うちの看板娘だよ」
そう言うとまた裏に戻って行った。