天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
翌日。
前回と同じようにふたりでランチをしてから行くことにしたため駅で待ち合わせをした。
今日はスパイスカレーのお店で、ここのナンを食べてほしいと蘭子が力説していた。

注文を終えると早速蘭子は楽しそうに話始めてきた。

「茉莉花が誘ってくれるなんて滅多にないから嬉しいよ。ありがとね」

「ううん。私こそ、昨日の今日で急に誘ってごめんね」

「大丈夫だよ。むしろ楽しみよ。あそこのお店の花で作るリースだなんて素敵に決まってるもの」

蘭子が楽しみと言ってくれてよかった。

「あ、そういえば大輔くんとは何時に待ち合わせなの?」

「仕事が終わり次第なの。18時は過ぎるはずだから大丈夫。それより遠慮しないで一緒にご飯食べに行こうよ。茉莉花だって大輔くんのこと知ってるんだし」

「そんなの申し訳ないから本当に気にしないで」

すぐに断るけれど蘭子は不服そう。
でも付き合ってまだ2ヶ月?今が一番楽しい時じゃないのかな。よく分からないけど……。

「大輔くんも茉莉花に会いたいって言ってたよ。だから行こうよ」

「無理無理。本当にお邪魔できない。また今度ね。それより大輔くんとはうまくいってるってことかな?」

話を変えると蘭子の頬はほんのり赤くなった。

「う、うん。まあね。順調、かな」

「何だか歯切れが悪いなぁ。何かあった?」

「この前大輔くんとキスしたの。私が奥手だから大輔くんはゆっくりと進めてくれてるみたいなんだけど……今日初めて彼の家に泊まりに行くことになってるの」

小さな声でますます顔を赤くして話す蘭子はとても可愛い。でも話の内容は私にも未知の世界。私まで顔が火照ってきた。
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