天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
「普通のことだってわかってるけど、それでも緊張しちゃう。キスしてみてすごく幸せだって思ったんだよ。今までよりさらに近くに大輔くんを感じられて」

小さな声でどんどん真っ赤になる顔。もじもじと話の始める蘭子を見ているだけでこっちまでますます火照ってくる。

「大輔くんは嫌がることをしないってわかってはいるの。それに今日だってただ一緒に過ごそうって言われてるだけなの。でも一緒に一晩過ごすって考えるだけでドキドキしてどうしたらいいのか分からなくなる」

「ごめんね、私も経験がないから何てアドバイスしてあげたらいいのかわからない。けど今の蘭子はとっても可愛い。幸せがこっちまで伝わってくるよ。だから自分の気持ちに素直になったらいいと思う」

「茉莉花〜」

「大輔くんと蘭子のペースでいいんじゃない?」

蘭子は不安そうな顔をしていたが頷き、気持ちを落ち着かせるように飲み物を口にした。
食事を済ませるとこの前と同じお店へ向かった。
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