悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
リュートはそう言って笑顔を作ると、此方に向き直り話題を変える。

「けれどダリル殿下。御自分を磨くのもいいですが、トリニティ様の言う通り、少しずつアピールをしなければ振り向いてもらええないと、私は前々から言っておりましたよね? このままでは嫌な予感がする、と」
「ああ、リュートと兄上の言う通りだった。それは今日、痛感したよ」
「きっとトリニティ様は振り向いて下さいますよ」
「だといいけど……僕は違うと思いたいけど、もしかしてトリニティ様の好きな人は兄上なのかな。だから今日も……」
「ダリル殿下、私の勘ですとトリニティ様はデュラン殿下に好意とはまた違ったものを感じます……!」
「もし、相手が兄上だったら僕は……」 

震える両手を握り込んだ姿を見て、リュートは声を上げる。

「いけません! 憎しみを抱いては……っ」
「……違うんだ、リュート。確かに兄上には敵わない。それは分かってる。けれど僕にだって譲れない想いがある」
「ダリル殿下……」
「こう思えたのはリュートのお陰だよ」
「貴方にお仕えできること、とても嬉しく思います」
「此方こそありがとう……リュート」




(ダリルside end)
< 102 / 250 >

この作品をシェア

pagetop