悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
そしてダリルが『トリニティ』を溺愛する姿を目の当たりにしたことで、自分達のミスに気付いたのだろう。
姫を守る為に荒ぶっていた騎士たちは、今ではすっかりと大人しいものである。
ダリルはケールとサイモンと言葉を交わすこともなく存在を無視しており、声を掛ける事もない。
一応『側近候補』という名目ではあるが、ケールとサイモンにとっては、良い状況ではないようだ。

首の皮一枚で繋がっており、一歩間違えれば候補から外されるとあって慎重に動かなければならない。
そんな二人を見ているとスカッとする気持ちもありつつ、少し可哀想な気分になる。
まだ悪魔のせいかどうかは分からないが、ずっと苛々させられていたので、暫くは放っておいてもいいだろう。
マロリーはハッとしてからすぐに、柔らかい笑顔を浮かべた。

「はじめまして!私はマロリー・ニリーナです」
「…………」
「あの……っダリル殿下ですよね?」
「…………」
「良かったら、私とお話しませんか? 分からないことがあったら何でも聞いてくださいっ! 私がいますから!」
「…………」
「それから私、お弁当作りすぎちゃって! 少し失敗しちゃって味に自信はないんですけど……!」

 
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