悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
「あの女は婚約者が居ても居なくても同じことをするだろうよ」
「そうかしら?」
「実際に婚約者がいる令息にも手を出している。苦情は山程来ているぞ?」

そう言ってデュランは積み上がった分厚い白い紙を取り出した。
ドンッと音を立てて机に置かれたものに驚きを隠せない。
学園の意見箱に投函される数々のマロリーの愚行と苦情は短期間でこれだけの量になってしまったらしい。
どれも溜息が出てしまうような稚拙な内容であった。

「この間は生徒会に入りたいと俺のとこに押しかけてきた」
「あら、何て答えたの?」
「馬鹿にはなれない、と言った」
「…………」
「馬鹿はなれ……「聞こえてますわ」

強調したい部分を何度も言うエルナンデス兄弟。
無駄な仕事を増やすマロリーにデュランは苛立っているようだ。

「あの人が生徒会に……? あり得ないよ」
「確かに。生徒会に居たらと思うとゾッとする」
「馬鹿は俺の生徒会にはいらねぇ」

デュランの言葉にダリルとコンラッドが重い溜息を吐いた。
生徒会に入れば、二人ともっと近付けると思ったのだろう。
しかし真正面からデュランに跳ね除けられたようだ。
生徒会に入る事になっているダリルとコンラッドにとって、ここだけはマロリーの入って来れない唯一の安全地帯なのである。
一年生は生徒会に正式に入る前に、仕事を覚えるために補佐として働いてもらう。
今は候補ではあるが、行く行く役員になり学園を支えていくのである。
そして、そんなデュランの生徒会に入れるほど成績優秀な人物がもう一人……。
< 219 / 250 >

この作品をシェア

pagetop