悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
名前を呼ばれて後ろを振り返る。
そこに居たのは本日の主役で、元天敵であるダリルの姿だった。
三年経ったダリルは、まだまだ幼さは残るものの背はトリニティより高く、より男らしくなった気がした。
この国の国王は皆、金髪で蒼目であるというよく分からない決まりがある。
ダリルは此方の姿を見つけると、とても嬉しそうに微笑んだ。
流れるように手を取るとキスを落とす。
その姿に驚いていた。

(あれ……? ダリルってこんなキャラだったっけ?)

冷めた俺様キャラは何処へ行ったのか。
今は柔らかい笑みを浮かべて紳士的に接しているではないか。
ダリルはヒロインと出会った事で愛を学んで温かい心を取り戻していくが、それまでは誰に対しても殺伐と自己中心的に振る舞う筈ではないのだろうか?
日本人には慣れない挨拶も子供が当たり前のようにしていると、これまた感慨深いものがある。
(今はこんなに楽しそうにしているのに、ヒロインに出会うまでは寂しさと劣等感を抱えて、常に孤独を感じているのよねぇ……ダリルにこれから何があるのかわからないけど、王子も大変よね)
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