悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
周囲から「キャー」と黄色い声が聞こえてきて、トリニティは控えめに周囲を見渡す。
(誰かイケメンの金持ちでもいるのかしら!? 是非わたくしもお近付きになりたいわ)
キョロキョロとしているとダリルがグッ……と視界に入ってきて吃驚したが一瞬、動きを止めてから誤魔化すように微笑んだ。

「トリニティ様……どこを見ているのですか?」
「あっ……えっと」
「どうかしましたか?」
「いえ、何でもありませんわ……! オホホホ」

(誰だって自分の誕生日パーティーに婚活されたら嫌よね……!ダリル殿下にはバレないように気を付けて相手を探さないと)
今日はダリルのパートナーではあるが、婚約者という訳ではない。
トリニティにも、まだまだパートナーを見つけるチャンスはあるだろう。
それに今日のトリニティは最高に可愛いのだ。
目が合ってニコリと微笑むだけで、どんな令息だってイチコロである。
そんな時、ある違和感に気付く。
顔合わせの際に、感じの悪い態度で此方を見ていた『マーベル』の姿がなく、ダリルの側に居ない。
過保護な彼は、常にダリルの側に居るはずなのに……。

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