悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
「トリニティ様、ありがとうございます。ずっと大切にしますね。今日は最高の日になりました」
「よ、良かったです……!」
「今まで頑張ってきた甲斐がありました」

何を頑張ったのかは知らないが、聞き間違いでなければ先程からダリルは自分の事を『僕』と言っている。
ゲームのダリルは確か自分のことを俺様らしく『俺』と言っていた筈だ。
(何か心境の変化があったのかしら……? それよりも……) 
プレゼントで機嫌が直ったのは良かったのだが、そろそろ周囲の視線が痛い。
『離して』の意味を込めてダリルの背中をトントンと叩くが、一向に離れてくれない。
腰を抱かれている為に、後ろに下がれないし動かせない。
徐々にこの状況があまり良くない事に気付く。
今、周囲にダリルとの仲を見せつけるような形になっている。
(どうしよう……! 今日こそ婚約者を作ろうと思ってたのに! このままだと勘違いされてしまうわ!)
そんな時、知らない声が耳に届いた。

「ダリル、周りをよく見ろと教えただろう? それに大切なお姫様が困っているぞ?」

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