悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
建物の影に入ったダリルはぴたりと足を止めた後に急に振り向くと、とてつもなく恐ろしい表情をしているのだ。
その顔を見てギョッとする。
(さっきまで機嫌よかったのに、笑いながら怒ってる!?)
何も知らない振りをして問いかける。

「あ、あの……ダリル殿下、どうかされましたか?」
「トリニティ様は……兄上のようなタイプが好きなのですか?」
「え……?」
「僕の記憶によると、トリニティ様のタイプは身長が高くてイケメンで包容力があって、家族を大切にして、思いやりがあって、いつも明るくて笑顔が爽やかで、スポーツ万能で、頭が良くて、お金持ちで、海のように広い心で優しく見守ってくれる一途で男らしい素敵な男性ではないのですか?」

顔合わせの際、ダリルを退ける為に提示した破茶滅茶な男性のタイプを一語一句、間違えずに言いきったダリルに、ポカンと口を開く。
仄暗い瞳で此方を見つめるダリルの姿を見ながらハッとしてから意識を取り戻す。
(どうする!? どうすれば……っ)
いつも助けてくれるケリーは今ここには居ない。
どうにかしなければと大きく息を吸って吐き出した。
ここで選択肢を間違ってはならない。
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