悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
作戦を変更してダリルの頭を撫でようと手を伸ばす。
パーティーでもダリルは王太子として堂々と対応していて同い年のコンラッドと比べるとかなり大人っぽく見えるが、敢えて子供扱いしようと思ったのだ。

「トリニティ様……?」

ダリルは不思議そうに此方を見つめている。
サラサラとした金色の毛を撫でながら、引くに引けなくなってしまい手を離すタイミングを伺っていた。

「お、弟のコンラッドにも、よくこうしているんですよ?」
「弟……」
「殿下が可愛く見えてしまって、つい……オホホホ~」

すると手首を掴んだダリルは、手を取り口元へと運んだ。
そして指先に柔らかい唇の感触がして目を見開いた。
ダリルの視線は一転して色気の含んだものへと変わる。
流れるような仕草に固まっていたが、直ぐに反射的に手を引いた。
(……な、何が起こっているの!?)
ダリルのサファイアブルーの瞳は真っ直ぐトリニティを映している。

「トリニティ様……」
「は、へ……?」
「弟君と同じ扱いをされては困ります。僕を男として意識してくださいませんか?」

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