悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
ダリルはショックを受けるどころか、柔かな笑みを崩さない。
(こ、怖ッ……! ダリルが何を考えているか全然分からないッ)
良心がチクチクと痛むが、奥底に押し込めてから頭をフル稼働させながら言葉を続けた。

「ダッ、ダリル殿下を異性として意識するのは無理ですわ! えぇ、無理なんですッ!」
「……どうしてですか?」
「ど、どうしてと言われましてもダリル殿下を意識する程、わたくし達は顔を合わせておりませんし」
「…………」
「仮に異性として意識したと致しましょう。今のダリル殿下の様子を見るに、まだまだ未熟ですし……それに、わたくしの理想には全然届いていませんものッ」
「…………ふむ、それも一理ありますね」

顎に手を当てたダリルを見ながら、めちゃくちゃ焦っていた。
まさか三年越しにこんな事になるとは思わずに、完全に油断していたのもあるが、冷静に切り返してくるダリルにどうすることもできない。
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