【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 かと思ったら、千歳は私を抱き寄せ「一緒に寝よう、桃子」と言ってくる。

「えっ、一緒に?」

「ああ、一緒に」

「でも、まだ治ってないでしょ?」

 そう聞いたが、千歳は「大丈夫だよ。もう治ったから」と言って聞かない。

「もう、強引なんだから……」

 でも……いつもの千歳だ。

「ほら、ここ来いよ」

「……うん」

 でもやっぱり私は、千歳の隣がいい。千歳の隣じゃないと、ダメなんだって分かった。

「千歳、暖かいね」

「まあ、ずっとここで寝てたからな」

 そりゃそうか……。でもこの温もり、ほんと好きだな。
 いつの間にか、私はこの温もりを欲していたのかもしれない。ないと困る、この温もり……。

「千歳が隣にいると、なんか安心する」

「そうか?」

「うん。……すごい安心する、なんか」

 私が千歳にぎゅっと抱き着くと、千歳は抱き締め返してくれる。

「俺も安心する」

「え……?」

「お前といると、安心する」

 千歳と私の想いが同じだと知って、私は嬉しかった。 いつの間にか私は、こんなにも千歳のことを求めていたんだと、そう気付いた。

「……同じだね」

「ああ」

 千歳は時々意地悪いけど、でもやっぱり優しい。
< 111 / 210 >

この作品をシェア

pagetop