【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 なんで抱き着いてたの? ねぇ、なんで?

「いや、あれは……っ」

「……もしかして、元カノに情でも湧いちゃった?」

 少しだけ厳しい言葉をぶつける私に、千歳は「桃子、あれは違うんだ」と否定してくる。

「何が違うの? 元カノに会って嬉しくなった?元カノと一緒に仕事が出来て、本当は嬉しいんでしょ?」

 私はもう止まれなかった。言いたいことを言ってスッキリしたかった。
 千歳のことを責め立てる私は、最低かもしれない。でもモヤモヤして苦しかった。

 千歳の笑顔が一番に見たいのは私なのに、私が一番千歳に愛されたいのに。
 さっきの場面が頭の中に何度も浮かんできて、私の心を奪おうとする。私の心が悲鳴を上げている。

「桃子……あのな」

「っ……元カノのことがそんなに好きなら、元カノの所にでも行けばいいじゃない!」

 涙で視界が滲む私は、もう千歳の顔を見れそうになかった。
 ほんとはこんなことを言いたいんじゃない。ほんとはこんなこと言うつもりなんてなかった。
 なのに全然、思ってもないことを口にしてしまっている。

「っ……千歳なんてもう大嫌い!」

 そう言って逃げる私の腕を、千歳は「桃子、待てよ!」と捕まえる。
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