【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「離して……!」

 私はなんとか逃げ出そうと抵抗を試みる。

「桃子、聞いてくれ。和佳奈とはほんとに何にもないんだ」  

「もうやめて!……何にも聞きたくない!」

 千歳は私の言葉を聞いて、そっと掴んでいた腕を離した。

「桃子……」

「っ……名前で呼ばないでよ」

 元カノなんだから、和佳奈なんて名前で呼ばないで……。なんで和佳奈なんて呼ぶの?
 元カノでしょ? もう関係ないんだよね?そうでしょ?

「桃子……?」

「和佳奈なんて、呼ばないで……」

 名前で呼ばれると、元カノに未練があるのではないか……そう思ってしまう。

「……え?」

「お願いだから……そうやって元カノのことを名前で呼ぶのはやめて」

 私はこんなに嫉妬深かったんだ……。惨めになるくらいムカついて、嫉妬深くて、自分でもイヤになる。
 こんなことになるくらいなら、結婚なんてしなきゃ良かった。

 なんでこんな思いしなきゃならないの。なんで……。
 私は千歳のことが大好きで、ずっとそばにいてほしいって、そう思ってる。

「悪かった。もう呼ばないよ」

 そんなに悲しそうに私を見る千歳に、私は「お願いだから……私を苦しめるのはやめてっ……」と泣いた。
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